今日のおすすめ本 二転三転のドラマに心奪われてみる
「わたくしは全能の神にかけ、わたくしが証言することはすべて真実であり、真実のみを証言し、真実以外の何ものも証言しないことを誓います」
こんにちは、きみどりです。
私は東京のド街中に住んでいるのですが、意外と夜には星が見えます。
今の時期はふたご座、オリオン座、牡牛座がはっきり見えますし、
オリオン座のベテルギウス、とても明るい天狼星ことおおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオンをつないだ冬の大三角もはっきり見れます。
春にはおとめ座スピカ、夏には織姫ベガと彦星アルタイル、秋にはみなみのうお座フォーマルハウトも見えたりと、都会の夜空でも季節によってがらりと様変わりをしていくのがわかります。
今日はそんな夜空のような、次々がらりと様子を変えていく小説を紹介いたします。
価格:514円 |
〈あらすじ〉
ある晩、金持ちで年配の女性が殺された。容疑者は青年レナード。彼はちょっとしたことでこの女性と親しくなっていたのだ。証拠は彼にとって不利なものばかり。誰しも彼が金目当てで、女性を殺したように思える状況だった。アリバイを証明できる証人は彼の妻だけ。しかし、法廷に立った彼女は夫の不利になる証言を始め・・・・・・。
ーおすすめポイントー
生き生きとしたキャラクター
息もつかせぬ展開の連続
そして最後の最後に起こる衝撃
著者はアガサ・クリスティー。灰色の脳細胞を持つ名探偵ポアロ、おしゃべり好きのおばあちゃん探偵ミス・マープルといった魅力的な探偵を数多く生み出し、「そして誰もいなくなった」や「アクロイド殺し」では度肝を抜く展開を数多く見せてくれる作家さんです。
この「検察側の証人」も例にもれず、生き生きとした人物たちと度肝を抜く展開が待っています。
舞台はある殺人事件の法廷。
容疑者の青年レナードは人好きのする快活な青年であり、被害者の女性とは落とし物を拾ってあげたことで仲良くなりました。ただ、どうにもちょっと弱腰なところがあり自分の容疑を上手くはらすことができません。
しかしなぜか彼の奥さんはレナードのアリバイを証言することに消極的。冷静で皮肉気な態度でレナードの弁護士たちを反対にやり込めてしまいます。これにはレナードの弁護士も大弱り。
読者は弁護士たちと共に奥さんの不可思議な態度を探っていくこととなります。そしていつのまにか彼女の燃える情熱と美しい冷笑の理由を知り、彼女の魅力の虜になっていることでしょう。
普通どんでん返しというものは一度きり、最後にやってくることが多いのですが、この話では何回もやってきます。最後の最後まで油断はできません。
星が観点によって、ガスの塊になったり、美女になったり、光になったりするように事実すら変わってしまうことがあるのです。
戯曲という、劇の台本のようなスタイルで書かれているため最初は面食らうかもしれません。ですがその変わったスタイルが気にならなくなるほど息もつかせぬ展開の連続、ぜひ心奪われてみてはいかがでしょうか。
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