きみどり色の本棚

面白い本や趣味を探している人のためのブログです。エンタメ小説を中心に映画や漫画等も紹介していきます。

今日のおすすめ本 秘密諜報員を目指してみる

 

 

「秘訣はつねに目を見開き、耳をそばだてていることである」

 

こんにちは、きみどりです。

 

最近、謎解きゲームや脱出ゲームのポスターをあちこちで目にします。

遊園地やビルを使ったリアル型脱出ゲームや、地下鉄に乗り継いで謎を解くもの、町を散策して看板などから謎を解くものなど何からやろうか目移りしてしまうほどです。

私もこの手のイベント大好きなのですが、どうにも解くのに時間がかかる!

そもそもまずキーアイテムやヒントを見つけるのに時間がかかる!

 

私がスパイや忍者だったら確実に任務を遂行できていないと思い、勉強のためにこんな本を読みました。

 

スパイのためのハンドブック 著 ウォルフガング・ロッツ

 

◆◆スパイのためのハンドブック / ウォルフガング・ロッツ/著 朝河伸英/訳 / 早川書房

価格:669円
(2019/3/8 19:04時点)
感想(0件)

〈概要〉

スパイになるためには?情報部との接触方法とは?スパイとして異性との付き合い方とは?そんな疑問に、本物のイスラエル諜報機関モサドの元諜報員がお答えする。

さらに心理テストによるスパイ適性検査や、尾行や偽装、暗号解読といった技術面、さらには引退後の生活までを、豊富な経験をもとに語るユーモアたっぷりなスパイになりたい人間必読の書。

 

 

ーおすすめポイントー

経験に基づいたスパイの姿がリアルにわかる

読者がスパイ志望者である前提のためわかりやすい

軽妙で軽い語り口で読みやすい

 

 

本書の著者、ウォルフガング・ロッツさんはCIA、KGBと並んで世界最強の諜報機関と名高いイスラエル情報部モサドで「モサドの星」「シャンペン・スパイ」と異名をとった本物の超凄腕工作員です。

この人物は実際に1960年初頭、エジプトのミサイル製造計画の探知、計画に参加している科学者たちの名簿作成、および手紙爆弾などによる脅迫や暗殺を行っていました。

そんな一流スパイが、実際に情報部にスカウトされるための方法を一からとても優しく、ユーモアを交えて教えてくれるのが本書です。

 

もしスパイ志望の方がいらっしゃいましたら、とりあえず本書を読み込むことをお勧めします。スパイ志望でなくても、スパイ映画や小説をもっと楽しみたい、スパイ漫画を描きたいなんて方にはリアルなスパイの姿を知る入門書となるでしょう。

 

諜報部員の世界をのぞき見できるこの本書で、ぜひスパイの職業体験はいかがでしょうか。

 

 

◆◆スパイのためのハンドブック / ウォルフガング・ロッツ/著 朝河伸英/訳 / 早川書房

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今日のおすすめ本 スリル満点な空の旅を満喫してみる


「見たところすがすがしい、心にしみるその空が、じつに海底とおなじ死の世界だった」

 

こんにちは、きみどりです。
先日高速道路を走っていたら、白いスニーカーが道路ど真ん中にぽてっと落ちていました。
きっとなんかしらのカーチェイスの果てに、敵の車のボンネットに乗った主人公が落としてしまった物に違いありません。

そんなピンチに見舞われることのない日常に感謝しつつ、それ以上のスリルを味わえる本を今日はご紹介します。

 

超音速漂流 著 ネルソン・デミル トマス・ブロック

 

【中古】超音速漂流 (文春文庫) デミル,ネルソン、 ブロック,トマス、 DeMille,Nelson、 Block,Thomas; 博基, 村上

価格:351円
(2019/3/7 23:53時点)
感想(0件)

 

〈あらすじ〉
サンフランシスコ発日本行きトランス・ユナイテッド航空52便。美しい青空を飛ぶこの飛行機に誤射されたミサイルが直撃した。

機長たちは死亡し、酸欠による脳損傷で乗客が凶暴化する中、無傷の乗客はたったの5名。13歳の少女リンダ、スチュワーデスのシャロンとバーバラ、家族連れの父ハロルド、そしてアマチュアパイロットのジョン・ベリー。
生還のため必死で奮闘する彼らだが、地上では事故隠蔽のため、機を生存者諸共墜落させる計画が進行していた。

 


ーおすすめポイントー
最後の最後まで手に汗握るピンチピンチピンチの連続
状況だけでなく内部の人間すら敵という、一ひねりあるパニックサスペンス

 

 

舞台は上空3万フィート、高度約9000メートルの空の上になります。
ミサイルの通過した後の機内はまさに地獄。
機内には窒息や心臓が破れて死んだ人たちや、脳損傷により生ける屍のような状態の乗客が溢れています。彼らは原始的な本能しか残っていないため、他人に対して非常に凶暴。特に元副操縦士だった男は、操縦席が自分の居場所だったことだけを覚えているため、執拗に操縦室へ襲いかかってきます。
それだけではありません。わからない自分たちの居場所、墜落させようと誤誘導してくる管制室、使い方のわからない飛行機の操縦装置、そして刻一刻と減っていく燃料。
誰も助けてはくれない空の上で、次から次へと襲いかかる絶望的な状況をどうやって回避していくのか。
そして、自分たちを殺そうとしてくる管制室の人間たちに一矢報いてやることはできるのか。一度この本を開いてしまえば、それを知るまで閉じることができなくなること請け合いです。

 

 

頼もしくクレバーなアマチュアパイロットのベリー、可愛い少女リンダ、機転の利くスチュワーデスのシャロン、強気なバーバラ、優しい父親のハロルドといった個性豊かな生存者たちと一緒に、あなたも青い空の上の地獄を経験してはいかがでしょうか。

 

 

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本当のところ白いスニーカーはなんで落ちてたんでしょう?

 

今日のおすすめ本 不可思議で優しい詩の世界を見てみる

「二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした」

 

 

こんにちは、きみどりです。

今日はプールで泳いできました。

水泳やってて妙に好きな感覚が、水から上がった時のずしっと体に重力がかかる感覚です。ぷかぷか浮いている状態も気持ちいいのですが、あの妙な感覚、地球と似てるけど少しだけ違う星へ到着したらこんな感じなのかなーなんてちょっと面白くなったりします。

 

今日はそんなちょっと不思議な感覚が体験できる詩集を紹介します。

 

はるかな国からやってきた 著 谷川俊太郎

 

はるかな国からやってきた [ 谷川俊太郎 ]

価格:1,620円
(2019/3/6 15:45時点)
感想(2件)

 〈概要〉

詩人、谷川俊太郎の詩集の中から選び抜かれた詩集傑作選。

瑞々しい若者の溜息、お父さんの願い、子供の決意、人としての在り方、そして神様の独白。

「詩人のふりはしているが、私は詩人ではない」と自ら述べる詩人が、優しい言葉で届ける不思議でほんの少し寂しい世界。

 

ーおすすめポイントー

詩だけれど易しい文章

内容もわかりやすいものが多い

 

 

「このはるかな国からやってきた」の中から「かなしみ」という詩をご紹介いたします。

 

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに

何かとんでもないおとし物を

僕はしてきてしまったらしい

 

透明な過去の駅で

遺失物係の前に立ったら

僕は余計に悲しくなってしまった

 

 この詩を国語の教科書などで見たことがある方もいるかもしれません。

他にも「生きる」や「二十億光年の孤独」といった代表的な詩は、メディアに取り上げられることも多く、中には合唱曲の歌詞になったものも。

 

谷川俊太郎さんは普遍的で身近なモチーフの詩を書くことが多く、特に「はるかな国からやってきた」には子供にも大人にもわかる詩が多く編集されています。

しかし、「かなしみ」という詩からもわかるような少し寂しげで不思議な世界がすべての詩に広がっており、読者をその世界に連れて行ってくれます。

 

地球とよく似た、けれども別の惑星に連れて行ってくれるような感覚になれる不思議な詩の世界、覗いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

はるかな国からやってきた [ 谷川俊太郎 ]

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感想(2件)

 

 

 

今日のおすすめ本 粋な江戸の住人気分になってみる

「てやんでぃ、べらぼうめぇ、こちとら江戸っ子でい、気が短けぇんだ、もたもたしゃがると鼻の穴へ屋形船を蹴込むぞ、すっとこどっこい、おとつい来やがれ、ぼくねんじん」

 

こんにちは、きみどりです。

私は生まれも育ちも東京のため、地方の方言や文化に憧れがあります。特に方言。

例えば「いいじゃん」っていうより「ええやん」とか「よかね」っていうほうが独特の温かみが感じられる気がします。

 

でもでも、東京にも独特の面白さがあるはずだ。まずは江戸までさかのぼって昔の東京を覗いてみよう。

そんな思いで東京観光するのにぴったりな本を紹介します。

 

一日江戸人 著 杉浦日向子

 

【新品】【本】一日江戸人 杉浦日向子/著

価格:561円
(2019/3/5 11:13時点)
感想(0件)

〈あらすじ〉

現代の江戸人、杉浦日向子さんによるエッセイ。江戸におけるモテの基準、風呂の入り方、三大美人に大泥棒、将軍の一日スケジュールから春画の味わい方まで、江戸の暮らしの上から下までがこれ一冊でよくわかる。著者のイラストたっぷりの深くて軽やか江戸の案内書。

 

 

 ーおすすめポイントー

江戸人の懐事情から将軍の暮らしまで様々な文化を一気読み

イラストふんだんわかりやすい

 

江戸時代といえば、水戸黄門暴れん坊将軍などテレビでもお馴染みの時代です。

なんとなく活気があって、刀を下げた人が歩いてて、お殿様はふんぞり返って豪遊している・・・・・。そんなイメージがふわっとある方もいるのではないでしょうか。

 

しかし本当に殿様暮らしって何食べてたの? どんな人がモテたの?そんな疑問が一発で解決するのがこの本です。

 

例えば、江戸で一番モテた「江戸の三男」は、火消しの頭、力士、与力の三つです。

今でいう、消防士さんのリーダー、バリバリのスポーツマンがモテたのはわかりますが、与力といえばいわば公務員。しかも家柄でいえば将軍に拝謁できるエリートのお役人です。そんな体制側の人間がモテたのはなぜか?答えは52ページにあります。

 

このようにちょっと不思議な江戸ワールドを、表紙にもある杉浦日向子さんの可愛らしいイラストたちが案内してくれます。

小説や漫画を描く方には江戸時代の暮らしを描写するのに役立つかもしれません。

 

時代劇だけではなく寿司や、銭湯といった現代にも通じる文化の発祥である、江戸の世界。この本一冊読めば、現代にいながらあなたはもう江戸の住人です。

 

 

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今日のおすすめ本 二転三転のドラマに心奪われてみる

 

 

「わたくしは全能の神にかけ、わたくしが証言することはすべて真実であり、真実のみを証言し、真実以外の何ものも証言しないことを誓います」

 

こんにちは、きみどりです。

私は東京のド街中に住んでいるのですが、意外と夜には星が見えます。

今の時期はふたご座、オリオン座、牡牛座がはっきり見えますし、

オリオン座のベテルギウス、とても明るい天狼星ことおおいぬ座シリウス、そしてこいぬ座プロキオンをつないだ冬の大三角もはっきり見れます。

春にはおとめ座スピカ、夏には織姫ベガと彦星アルタイル、秋にはみなみのうお座フォーマルハウトも見えたりと、都会の夜空でも季節によってがらりと様変わりをしていくのがわかります。

 

今日はそんな夜空のような、次々がらりと様子を変えていく小説を紹介いたします。

 

検察側の証人【電子書籍】[ アガサ クリスティー ]

価格:514円
(2019/3/4 19:32時点)
感想(0件)

 

〈あらすじ〉

ある晩、金持ちで年配の女性が殺された。容疑者は青年レナード。彼はちょっとしたことでこの女性と親しくなっていたのだ。証拠は彼にとって不利なものばかり。誰しも彼が金目当てで、女性を殺したように思える状況だった。アリバイを証明できる証人は彼の妻だけ。しかし、法廷に立った彼女は夫の不利になる証言を始め・・・・・・。

 

ーおすすめポイントー

生き生きとしたキャラクター

息もつかせぬ展開の連続

そして最後の最後に起こる衝撃

 

 

著者はアガサ・クリスティー。灰色の脳細胞を持つ名探偵ポアロ、おしゃべり好きのおばあちゃん探偵ミス・マープルといった魅力的な探偵を数多く生み出し、「そして誰もいなくなった」や「アクロイド殺し」では度肝を抜く展開を数多く見せてくれる作家さんです。

 

この「検察側の証人」も例にもれず、生き生きとした人物たちと度肝を抜く展開が待っています。

舞台はある殺人事件の法廷。

容疑者の青年レナードは人好きのする快活な青年であり、被害者の女性とは落とし物を拾ってあげたことで仲良くなりました。ただ、どうにもちょっと弱腰なところがあり自分の容疑を上手くはらすことができません。

しかしなぜか彼の奥さんはレナードのアリバイを証言することに消極的。冷静で皮肉気な態度でレナードの弁護士たちを反対にやり込めてしまいます。これにはレナードの弁護士も大弱り。

読者は弁護士たちと共に奥さんの不可思議な態度を探っていくこととなります。そしていつのまにか彼女の燃える情熱と美しい冷笑の理由を知り、彼女の魅力の虜になっていることでしょう。

 

普通どんでん返しというものは一度きり、最後にやってくることが多いのですが、この話では何回もやってきます。最後の最後まで油断はできません。

星が観点によって、ガスの塊になったり、美女になったり、光になったりするように事実すら変わってしまうことがあるのです。

 

 

 

 

戯曲という、劇の台本のようなスタイルで書かれているため最初は面食らうかもしれません。ですがその変わったスタイルが気にならなくなるほど息もつかせぬ展開の連続、ぜひ心奪われてみてはいかがでしょうか。

 

 

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今日のおすすめ本 一生懸命な男の恋を応援してみる

「なにかに本気でとりつかれるってことはさ、みんなが考えてるほど、ばかげたことじゃあないと思うよ」

 

今日は絹糸のような冷たい雨が降っています。

そこそこ強い雨だと、心の中の小学五年生が大暴れして外に飛び出していきたくなるきみどりですが、今日は肌寒いので小学五年生も大人しくなっています。

 

そんな今日のおすすめ本は

肌寒い雨の日でもちょっと微笑ましい気分になれるお話です。

 

トリツカレ男/いしいしんじ【1000円以上送料無料】

価格:464円
(2019/3/3 10:24時点)
感想(0件)

〈あらすじ〉

ジュゼッペは町のみんなから「トリツカレ男」ってあだ名で呼ばれてる。一度何かやると朝昼晩そればっかりになっちゃうんだ。オペラに三段跳び、探偵ごっこ、昆虫やサングラス収集、おまけにハツカネズミの飼育なんてのもある。だけど彼はいつも一生懸命。そんな彼はある日、寒い国から来た風船売りの女の子に恋をしたんだ。その日から悲しみに凍った彼女の心を温めてあげようとジュゼッペの東奔西走が始まった。

 

-おすすめポイントー

おとぎ話のような優しい話

彼女のピンチを助ける方法にわくわくできる

薄い本なのでさらっと読める

 

 

タイトルはホラーのように不穏ですが、中身は童話のような語り口の可愛らしいお話です。

 やせっぽちで童顔な小男ジュゼッペは一度物事を始めると、とりつかれたようにそればかりになってしまいます。

オペラにはまればいつでもどこでも歌を歌いまくりますし、三段跳びを始めたら、全国大会に出るレベルにまで頑張ります。外国語の通信教育を始めたら、15か国語をマスターしたりします。そんな彼は町のみんなから、ちょっと迷惑がられながらも愛されて生きています。

 

 

可愛いヒロインである風船売りのペチカには気がかりなことがたくさん。

二年も病気で寝たきりのお母さんもいれば、多額の借金があり、風船売りをしようにもギャングが広場を占領しています。それになんといっても彼女には忘れられない男の人がいます。

 

そんな女の子によく言えば一途、悪く言えば熱しやすく冷めやすい男が恋したら?
相棒のハツカネズミに助けられながら、どんなことでもし始めます。しかも今まで培った技術を全部使って。

オペラに三段跳び、探偵ごっこ、昆虫やサングラス収集、ハツカネズミの飼育でどうやって助けるかは読んでからのお楽しみ。きっと一生懸命な姿に応援してあげたくなることでしょう。

 

わくわくできるこんな恋物語、薄い本なのでさらっと読むのにお勧めです。

 寝る前などにちょっと読んでみるのはいかがでしょうか?

 

 

 

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(2019/3/3 12:18時点)
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今日のおすすめ本  平安と、もののけと、友情に酔ってみる

「奇妙な男の話をする」

「たとえて言うなら、風に漂いながら夜の虚空に浮く雲のような男の話だ」

 

お元気ですか。きみどりです。

はらはらと散る梅の花がきれいな時期になりました。

まだまだ寒くて外に出るのも億劫になったりもありますが、歩いていてどこからともなく花の甘い匂いがしてくると、ちょっと得した気分になりますね。

 

そんな空気の緩むこの時期におすすめの、軽い読み口で雰囲気のある小説をご紹介します。

 

陰陽師     著 夢枕獏

陰陽師(おんみょうじ) 【電子書籍】[ 夢枕 獏 ]

価格:413円
(2019/3/2 09:41時点)
感想(0件)

〈あらすじ〉

時は平安。闇が闇として残っていた時代、人も鬼も、もののけも、同じ都の中の暗がりに、息をひそめて暮らしていた時代。

そんなたおやかで雅な闇の時代に、一人の奇妙な男がいた。名は安倍晴明

陰陽道に通じ、式神を繰り、天地の理を読み解くこの男が、親友であり笛の名手の源博雅と共に、都に跋扈する魑魅魍魎たちを相手に鮮やかに難事件を解決する。

 

ーおすすめポイントー

* 陰陽の技、妖怪、怪異、不思議な現象が盛沢山

* 安倍晴明源博雅、二人の人物の関係性が楽しい

* 短編集で文章も読みやすいため小説初心者にも手に取りやすい

 

作中にはたくさんの怪異が現れます。

 

羅生門の上で琵琶をつまびく奇妙な鬼

毎晩現れる、悲しい瞳の口のない美しい女

宙に浮く人の首、文机のようなもの、犬の頭をしたもの、乳房のたくさんある女、ぬめぬめしたもの、その他わけのわからぬもの

そんな魑魅魍魎たちが時には人を喰らい、時には人と楽を重ね、心を通わせたりする。

生き生きと密やかに、確かに私たちの隣には怪異が潜んでいる。そんな妖異の活躍をたっぷりと味合わせてくれるところが魅力であります。

 

生き生きしているのは妖異だけではありません。二人の主人公安倍晴明源博雅にも魅力がたくさんあります。

クールで頼れる特殊能力を持った絶世の美男子と男らしくて情に厚い好漢。

対照的な二人ですが、無二の親友として信頼しあっています。

博雅は晴明に「たとえ晴明が妖物であっても、この博雅は、晴明の味方だぞ」と言い切りますし、晴明は博雅をことあるごとに「良い漢だ」、「優しい漢だ」と褒めちぎります。その分、武骨な博雅を女性絡みなんかでからかうこともよくあるのですが。

 

 

基本的に晴明がその 知力と陰陽道で事件を解決するのですが、博雅が何気なく言ったことが手掛かりになることも。

シャーロック・ホームズを読んだことがある方ならば、ホームズとワトスン博士を思い起こすかもしれません。

化け物から隠れているときに、博雅が声出しちゃってピンチになることもあるんですけどね。

 

この「陰陽師」はシリーズ物で現在16巻まで刊行しています。

ですが、長編物2冊を除いてすべて短編集であり、繋がった話がないため非常に手に取りやすくなっています。

どこから読んでも、何から読んでも雰囲気ある平安時代の情景と、移り行く季節の描写、そして何より晴明と博雅の変わらぬ友情と活躍が楽しめます。

 

ぜひ、これからの春の宵に軽やかで雅な闇の世界を楽しんではいかがでしょうか。

 

 

 

 

余談ですが、京都市上京区にこの安倍晴明公を祀ったその名も「晴明神社」があります。

提灯から方角を示す羅針盤、お守りに絵馬に御朱印帳に至るまで、安倍晴明の班紋であるドーマンセーマン(一筆書きの星マーク)がついていて非常に格好いいのです。

京都に行かれた際に立ち寄ってみるのもおすすめですよ。

 

 

 

 

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